Nature of Fujimae-Higata
藤前干潟は年間を通して多くの野鳥が飛来する日本有数の湿地です。
野鳥たちが多く訪れる理由の一つとして、エサとなる生き物が多数生息していることが挙げられます。
このページではそんな藤前干潟の自然についてご紹介します。
風景について
藤前干潟は朝~夜、季節によって大きく変化します。二度と同じ風景に出会うことはありません。
景色は絶景で、素晴らしい自然を目の当たりにすると感動と癒しをもらえます。
皆様もぜひ実際に見に来てくださいね。
野鳥
藤前干潟にはいろいろな渡り鳥がいます。シギ・チドリ類の多くは、春と秋の2回見ることができます。
旅鳥
春と秋に見られる鳥
ハマシギ
藤前干潟を代表する小型のシギ類です。数百羽の群れを作って飛び回る光景が有名です。
ダイシャクシギ
長いくちばしが特徴的な藤前干潟で最大級の大きさのシギです。
ダイゼン
渡りの途中に立ち寄るチドリの仲間です。夏の羽の色が白と黒に分かれているのが特徴です。
チュウシャクシギ
長いくちばしを利用して、干潟の中のカニ等を食べます。体の大きさはダイシャクシギより一回り小さいです。
オオソリハシシギ
くちばしは長く上に反っており、根本は桃色で先に行くほど黒くなっています。足は黒くて、比較的長いです。
トウネン
大きさはスズメとほぼ同じ。シギ科の鳥の中では小型の一種で、くちばしと足も短いです。
冬鳥
冬に見られる鳥
スズガモ
秋に渡ってきた後、春になると北方へ渡り繁殖します。(写真はオス)
マガモ
メスは地味な褐色系で、秋冬のオスは緑に輝く頭部が美しいです。近年は夏に繁殖(子育て)するものもいます。(写真はオス)
オナガガモ
冬に渡ってくる尾羽が長く伸びているカモです。オスとメスで色が違います。(写真はオス)
留鳥
一年を通じて見られる鳥
カワウ
木の上に巣をつくり、海や川にやってきてエサをとります。集団で魚の群れを追い込んで食べる姿が有名です。
アオサギ
一年中見られる日本で一番大きなサギです。体は全体的に青灰色、くちばしは頭よりも長くなっています。
ミサゴ
魚を食べるタカです。飛んでいる姿は白っぽく見えます。普段は流木などに止まっています。
泥や水の中の生きもの
野鳥以外にも、干潟内には多くの生きものが生息しています!
ケイソウ
水中や干潟の表面にいる植物プランクトンです。食べる・食べられるの関係の始まりになります。
ゴカイ
泥の中の栄養分を食べると同時に、魚類や鳥類など、いろいろな生きもののエサになっています。
ヨコエビ
体長数ミリの小さな甲殻類です。干潟の表面にたくさんいて、主に小型の鳥のエサになっています。
ヤマトオサガニ
干潟に住むカニです。大型のシギ類はこのカニが好物です。
ヤマトシジミ
海水と河川水の混ざった場所に住むシジミです。藤前干潟にいる二枚貝の代表です。
アナジャコ
干潟の泥の中に2m以上の深い穴を掘って暮らし、水中の栄養分を食べています。
トビハゼ
前足のような胸ビレと尾ビレで泥の上をはねて移動する魚です。泳ぎは苦手です。
ウナギ
海と川を移動する魚です。庄内川が伊勢湾に流れこむ藤前干潟では昔からよく捕れました。
ボラ
川が海に流れこむ場所に多く見られる魚です。成長に応じて呼び名が変わる「出世魚」として知られています。
干潟の重要なはたらきの一つに「水質浄化作用」があります。「汚れた水をきれいにする」という意味ですが、それには干潟の生き物が大きな役割を果たしています。
干潟ではいろいろな生き物の「食べる・食べられる関係」(食物連鎖)がうまくはたらいて、水質の悪化を防ぐようになっています。藤前干潟に鳥がたくさん来るのはそれだけ餌になる生き物が多いからですが、餌を食べると同時に、水の汚れも取り除いていることになります。
干潟を埋め立ててしまったようなところでは、プランクトンが発生してもそれを食べる生き物がいないので、そのままプランクトンが死滅し水質を悪化させ(青潮)漁業に影響が出るなどの問題が起きています。